静岡市で家を建てる人のための土地と住まいの決め方

このコラムは、静岡県中部(静岡市〔葵区・駿河区・清水区〕、藤枝市、焼津市、島田市 など)で家づくりを考える方向けに、相場と最新トレンド→現金で必要な費用→配分モデル→最後に月返済の順で、ブレにくい総予算づくりをまとめます。
※相場・着工の数値は、県・市の公表資料に基づく2025年の情報に基づいています。
相場をデータを押さえましょう
静岡県の地価(2025年=令和7年)の最新トレンドを確認する
静岡県の令和7年「地価公示」(基準日1/1)と「地価調査」(基準日7/1)の両方から、まず“県全体のトレンド”を把握します。
地価公示価格
住宅地は下落から横ばいに転換、商業地・工業地は上昇幅拡大(平均価格:住宅地 72,000円/㎡、平均変動率 0.0%)。全用途で17年ぶりの上昇という評価です。
地価調査
住宅地は5年連続で下落率が縮小(平均価格 64,600円/㎡、平均変動率 ▲0.1%)。
商業地は2年連続上昇、工業地は4年連続上昇。利便性の高い地域での需要の強さが示されています。
静岡県全体では、住宅地の地価は下げ止まり傾向にあることがわかります。
静岡市の地価トレンドは?
地価公示価格
住宅地は、ここ数年の下落傾向から横ばい〜小幅上昇へ移行しています。
商業地・工業地は上昇基調が明確で、利便性や集客力の高いエリアを中心に堅調です。
個別の標準地ごとに変動幅は異なりますが、全体感としては「下げ止まりから持ち直し」の流れが見られます。
地価調査
住宅地は下落率の縮小が続き、横ばい〜小幅上昇の地点が増加しています。
商業地は上昇が継続、工業地も上昇傾向が持続しています。
交通アクセスや生活利便性の高い地域で需要の強さが確認でき、エリア間での強弱(二極化)がはっきりしています。
静岡市においても、住宅地の地価は下げ止まり〜横ばいの傾向が読み取れます。
正確な数値(標準地ごとの価格・対前年変動率)は最新の公示・調査の一覧で確認できます。
先に確定すべき現金必要額を見える化する(入居直後と諸費用)
入居直後に現金が要りやすいものを別枠で
カーテン、照明、エアコン、冷蔵庫、表札・ポストなどは入居直後の現金支出になりがちです。
住宅会社に発注して住宅ローンに含める方法もありますが、家電は自分で購入するケースが増えているため、別枠の現金を確保しておきます。
諸費用は“本体以外の総称”、支払先ごとに借入に含めにくい項目も
登記、火災保険、ローン手数料・保証料、仲介手数料、引越し等を合計したのが諸費用です。
支払先やタイミングにより、借入に含められない費用が出る場合があるため、見積段階で可否を確認します。
総予算は配分モデルで決める
土地と建物の相場を拾ったら、次のような配分で“予算を配分する箱”を作ります。
先にこの箱を決めると、土地でオーバーしにくく、後から仕様を削る悪循環を避けやすくなります。
| 配分モデル | 土地 | 建物(本体+付帯+オプション) | 諸費用・外構等 |
|---|---|---|---|
| バランス型 | 40% | 50% | 10% |
| 建物重視型 | 30% | 60% | 10% |
| 土地重視型 | 50% | 40% | 10% |
静岡市中部で家を建てるなら——南海トラフ地震を見据えた“現実的な備え”
静岡市中部での家づくりは、景色や利便性だけでなく「大きな地震にどう備えるか」を同時に考えることが大切です。土地探しから間取り・構造、設備や外構、そして家族の避難計画や保険まで、実際の検討順に読みやすく整理しました。
土地の安全性の確認——ハザードと地盤
ハザードマップで“場所のリスク”を先に確認する
家づくりの出発点は、津波・液状化・洪水・土砂災害の想定を地図で確認することです。想定浸水域に入るか、液状化の可能性が示されていないかを見るだけでも、後の計画がぶれにくくなります。浸水が見込まれる場合は、住空間を2階以上に中心配置する、基準地盤高を見直す、といった設計方針が取りやすくなります。
地盤調査と必要な改良を見越しておく
計画地では地盤調査を必ず実施し、軟弱地盤や高低差がある場合は、表層改良・柱状改良・支持杭などの追加工事を検討します。ここを後回しにすると、着工直前に想定外の費用が膨らむ原因になります。
揺れに強い構造性能の考え方
耐震等級3(最高等級)を前提に、バランスのよい配置を
新築は耐震等級3(最上位)を基本に考えましょう。
あわせて、柱や耐力壁の配置バランス、上下階の直下率、建物の偏心(重さや壁の偏り)など、見えない“骨格の整合”も大切です。大きな吹き抜けや開口を多用するとバランスを崩しやすいため、構造設計で丁寧に詰めます。
「制振工法」や「免震工法」で繰り返しの揺れに備える
長い地震や余震が続くと、建物は“繰り返しの揺れ”でダメージが蓄積します。
金属やオイルのダンパーを入れる制振、あるいは建物全体の揺れを減らす免震といった方法を比較検討すると、ダメージを小さく抑えやすくなります。
屋根材は軽量なものを選ぶと、建物の応答が安定するのもポイントです。
家具を減らす設計——造作収納で「置かない暮らし」にする
置き家具を前提にせず、各部屋に十分な造作収納を計画すると、転倒リスクを根本から減らせます。
ウォークインクローゼット、パントリー、リネン庫、シューズクローク、玄関脇の土間収納、リビングの壁面一体型収納などを“使う場所のすぐ近く”に配置し、奥行き・棚ピッチ・ハンガーパイプ高さを家族の持ち物量に合わせて設計します。可動棚や引き出しを組み合わせれば、衣類・書類・小物・家電の行き場ができ、リビングに背の高い本棚や食器棚を置かずに済みます。
造作収納は、柱・間柱に下地合板を広く張ってビス固定し、必要に応じて耐力壁や間仕切りと一体化させます。これにより地震時の揺れでも外れにくく、通路の確保と避難動線の安全性が高まります。冷蔵庫やピアノなど動かせない重量物は、壁・床の下地補強と転倒防止金物で固定しつつ、周囲に“逃げるスペース”を確保します。結果として、見た目はすっきり、掃除はしやすく、安全性も上がる——そんな「置かない家づくり」を標準にするのがおすすめです。

もし止まっても暮らしを回せる備え
停電に備える電源計画
「太陽光+蓄電池」や非常用発電機など、どの方法で電源を確保するかを最初に決めておくと、配線計画がスムーズです。冷蔵庫・照明・通信など、優先して電気を回したい“非常用回路”を分けておくと、停電が長引いても暮らしを回しやすくなります。
断水・ガス停止の想定
飲料水・生活用水は人数×数日分を常備し、簡易トイレや雨水タンクも選択肢です。ガスの自動遮断後の復帰方法は家族で共有し、オール電化でもカセットコンロなど代替の熱源を用意しておくと安心です。給湯機(エコキュート等)の貯湯を非常時に使えるよう、取り扱いも確認しましょう。
屋外機・メーター・配管の守り方
空調・給湯の屋外機は転倒防止金具で固定し、ガスメーターは衝突・転倒リスクの少ない位置に設置します。給排水の継手は耐震・可とうタイプを選ぶと、揺れによる破断を減らせます。床下は点検・止水がしやすい動線を確保します。
外構・擁壁・ブロック塀の再点検
倒壊の恐れがあるブロック塀は、鉄筋・控え壁・基礎を現行基準でチェックし、危険ならやり替えます。擁壁や土留めは“計算書がある合法構造”を選び、排水計画も含めて専門家と詰めてください。カーポートやフェンスの設置位置は、落下方向や車の避難動線も考慮すると安全性が高まります。
お金の備えで復旧スピードが変わる——保険と資金計画
地震保険は建物・家財の両面で検討
補償額の上限や免責を理解し、想定復旧費とのギャップを把握しておきましょう。新築時に「長期優良住宅」や「耐震等級3」の認定を取ると、保険料や住宅ローン優遇のメリットが期待できる場合もあります。
施工体制とアフターの確認
工事契約では瑕疵保険の付帯、引き渡し後の点検・応急対応の連絡フローを文書で確認します。災害後は連絡が集中するため、受付窓口・優先順位・応急処置の範囲が明確だと復旧が早まります。
まとめ——“順番”を決めると判断に迷わない
家づくりで地震対策を実行するコツは、次の順番を守ることです。
1)土地のハザードと地盤を先に確認する。
2)耐震等級3とバランスのよい構造計画を前提に、制振・免震の要否を検討する。
3)非構造部材・家具固定・ライフライン・外構まで含めて、被害を小さく復旧を早くする設計にする。
4)家族の避難計画・備蓄・保険・アフター体制を“書面と場所”で見える化する。
静岡市中部で具体的な計画がある方は、「候補地の住所」や「希望の間取り・設備イメージ」をお知らせください。ハザードマップの読み方から、耐震等級3+制振の標準仕様チェック、非常用回路の設計、備蓄リストの作成まで、地域事情に合わせた実行プランに落とし込んでご提案します。
家づくりを検討する際の流れ
まずは土地選びをハザードと地盤から。
静岡市中部はエリアで津波・液状化・洪水のリスクが違います。
公式ハザードマップ(しずマップ)を確認し、想定浸水や液状化がある場合は盛土・基礎強化・生活空間の2階化などの追加費用も含めて総額比較します。地盤調査・改良や上下水・ガス引込、擁壁・解体は土地付随工事として別箱管理が安全です。
次に家の“骨格”の選定。
耐震等級3を標準に、直下率や耐力壁バランスを整え、構造計算に基づく間取り最適化を行います。
繰り返し地震を想定し、制振ダンパーや屋根の軽量化も同時検討するとダメージを抑えやすくなります。
安全性を担保するために置き家具を減らす造作収納で高めます。
WIC・パントリー・リネン庫・壁面一体型収納を“使う場所の近く”に計画し、下地合板で確実固定。
通路が広く保たれ、避難動線も確保できます。窓や天井など非構造部材の落下・飛散対策も忘れずに。
非常時に暮らしを止めない設計も必須。
計画初期に太陽光+蓄電池など非常用電源と優先回路(冷蔵庫・通信・照明)を決め、断水には非常用トイレ・雨水活用・給湯機の非常取水で備えます。津波避難先・徒歩時間・夜間ルートは家族で共有し、年1回の訓練を。
最後はお金と保険。総予算は土地(付随工事含む)/建物/外構/造作収納/家具家電/予備費に箱分けし、確定見積りで差額管理。返済は主たる収入で成立させ、もう一方は教育費・予備費・繰上返済に充当。金利は+1%上昇でも家計が回るか試算し、難しければ固定化や期間調整。保険は地震保険(建物+家財)を前提に、耐震等級3・長期優良住宅の認定取得も検討しましょう。
まとめ(相談のご案内)
今回は、相場(公示・調査)と着工トレンドを“根拠つき”で先に固め、現金必要額→配分モデル→返済整合という順番に並べ直しました。県・市の公表値をベースに作ると、土地選びも仕様決めもブレにくく、最後の返済チェックまで一気通貫で進められます。
静岡市中部で検討中の希望エリア・土地の条件・建物のイメージをお知らせいただければ、最新の標準価格表・着工データを差し込んだ個別予算シート(配分モデル、入居直後の現金リスト、+1%金利上昇試算つき)を作成します。エリアと年収・自己資金の目安だけでも大丈夫です。

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