30代40代の「ライフイベント表」の作り方

家計の未来を“見える化”し、住宅購入や教育費、老後資金まで迷わず判断できる状態をつくるためのベースとなるものの一つが「ライフイベント表」です。こちらでは、30代、40代の方向けに「ライフイベント表」の作成方法をご紹介します。

ライフイベント表とは

家族の出来事(結婚・出産・進学・住み替え・車・独立・退職など)と、それに伴うお金の動き(支出・収入)を年ごとに一覧化した表のことです。いわば家計版の「未来年表」です。

ライフイベント作成手順

1)期間設定を決める(何年間で設定するか?)

基本は「これから20年」です。お子さまが小学生なら大学卒業までを一望できる25~30年にすると安心です。

2)表計算ソフトで必要項目と年単位の行をを用意します

表計算ソフト(Excel等)で左から「西暦・年齢・学年・主な出来事・支出・収入・差引・貯蓄残高」の項目列を作り、1年=1行で並べていきます。

3)各項目を入力していきます

年齢と想定イベント

本人・配偶者・子どもごとに「年齢と想定イベント(転職・独立・留学など)」を列に記入します。
細かい条件や不特定条件を想定してしまうと進みませんので、まずは年齢条件にあわせて付せん感覚でアバウトに置いていくと全体像がつかみやすいです。
親の年齢も欄外にメモします。将来の介護や相続のタイミングを意識でき、急な出費への備えが進みます。

【主なライフイベント】
教育イベント:入学・卒業・塾・部活遠征・留学・受験年を入れます。高校・大学の受験年は支出が重なる“要注意年”です。
住まいイベント:購入・建替え・リフォーム・引っ越しを記します。固定資産税や火災保険の更新年も合わせて入れておきます。
車イベント:購入・車検・保険更新・タイヤ交換を入れます。通勤や家族構成の変化で2台目が必要になる年も想定します。
仕事イベント:育休復職・時短解除・昇進を記します。予定が明確であれば転職・独立も記入します。収入の上下が起きる年を先に見える化します。
人生の楽しみイベント:新婚旅行・家族行事・資格取得・海外赴任・セカンドライフの拠点づくりなど、前向きな出来事も入れます。続けられる表は“楽しみ”が含まれていることがコツです。


支出予定金額の考え方

【日常生活費の目安】
日常生活費は現在の家計状況から概算で算出します。現在の予測される生活費に対して、物価上昇率(1~1.5%)を加味できるとよりリアルな計画に近づきます。
下記は3~4人家族の目安金額です。
食費(外食含む):12~15% → 4.2~5.3万円まとめ買い・ふるさと納税で圧縮しやすい項目です。
日用品・消耗品2~4% → 0.7~1.4万円ドラッグストア・ネット定期便の見直しが有効です。
水道・光熱費5~7% → 1.8~2.5万円冬夏は上振れしやすいため、平均で管理するとブレが減ります。
通信費(スマホ・ネット):3~5% → 1.0~1.8万円格安プランと家族割を優先検討すると下がりやすいです。
医療・衛生(市販薬・通院):1~2% → 0.3~0.7万円予備費と合わせて吸収できる設計が安心です。

【教育費の年間目安】
公立小中は30~60万円、私立小中は100~180万円、公立高校は40~60万円、私立高校は100~150万円、国公立大学は80~130万円、私立大学(文系)は120~180万円が目安です。理系・医歯系は上振れしやすいです。地域差や物価動向で変動します。
【住居関連費の目安】
住宅ローン金額と将来のメンテナンス費を入力していきます。リフォームの相場はキッチンが15~20年ごとに100~200万円、外壁屋根の修理・塗り替えは10~15年ごと150~250万円が目安です。
【自動車関連費の目安】
税金・保険・車検・メンテナンスを含め、年間15~25万円を「保有コスト」として計上します。走行距離や車種で増減します。

その他に考慮できるといいこと(よりリアルに近づけるポイント)

【インフレ率の考慮】
モノやサービスの価格がどれくらい上がるかの割合です。ひとまず1.5~2.0%/年を仮置きし、将来費用に反映します。
【給与上昇率(昇給率)の考慮】
昇給率についてはお勤めの企業の考え方や業種によって異なりますので、それぞれのご家族の状況に応じて計算の必要があります。30代は伸び期、40代は横ばい~微増、45歳以降は鈍化を基本線とします。
ボーナスは業績連動のため保守的に見積もります。
【住宅ローンの金利変動】
住宅ローンを変動金利型で組まれる方が多いと思います。金利の先行きは経済、景気の動向に左右されますので、予測が難しいですが、楽観的(金利は変わらない又は下がる)のではなくある程度は悲観的(金利が上昇するかも)な予測もして準備しておくと安心のプランに近づきます。

4)“差引”で赤字年をあぶり出していきます

差引=収入-支出です

赤字の年が出たら、前年までの貯蓄残高でカバーできるかを確認します。難しければイベントの前倒し貯蓄やコスト調整を検討します。
①イベント時期の調整
②支出の代替(私立→公立、海外→国内など)
③収入強化(副業・資格・転職準備)を検討します。

ライフイベント表作成の際の注意点

同時多発コストに注意しましょう

住宅ローン開始と教育費の増加、車の買い替え、親のサポートなど同時に大きなコストが必要な年にアラート色をつけるなどしてわかりやすくしましょう。必須の支出項目を忘れてしまうと結果に大きなズレがでてしまいます。

現金に余裕があっても、不測の事態に備えることを忘れずに

ライフイベント表で資金に余裕があるように見えても反映しきれていない項目があったり、不測の事態への備えが完璧かまではわかりません。常にまとまった資金の余裕を持ち、保険の備えについても考えましょう。

投資の基本は「長期的な視野をもつ」

短期的な投機的な投資はリターンもリスクも大きいので、先行きの見通しが立ちにくいのが欠点です。
NISAやiDeCoなどの仕組みを活用し、老後の資金の備えを主として長期的な視野をもった無理のない投資計画を心がけましょう。

まとめ

「表計算ソフトで年の行を20年分つくる」「家族の年齢を入れる」「基本生活費・教育・住まい・車だけ金額を入れる」という3ステップで土台が完成します。その後にじっくり細部を足していけば大枠をつかむことができます。ライフイベント表は“判断の基準”を家族で共有するツールです。将来の不安を“段取り”に変え、タイミングの良い投資・保険・住宅選びにつながります。

作成サポートのご案内

当事務所では、ご家庭の年齢構成・収入カーブ・教育方針・住宅計画に合わせて、ライフイベント表とキャッシュフロー表をカスタマイズし、改善提案まで行います。
保険の組み方、住宅購入予算、車関連など詳細に仕上げます。
初回ヒアリングはオンライン対応可能です。お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

行政書士(静岡県行政書士会所属) ・1級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・宅地建物取引士
住宅業界のキャリアは30年以上。住宅販売から情報システムの企画・運用からマーケティングまで幅広く担当。
宅地建物取引士として分譲地・分譲住宅の販売にも携わってきました。
ホームページ・各種SNSなどのWEB制作サービスも可能です。
趣味は、陸上競技。マスターズ陸上の短距離(60m、100m)
静岡マスターズ陸上M55クラスの静岡県記録保持者。
各地の陸上競技場で走っています。

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